定幅図形とは

自転車の車輪の形は何ですか。そう、普通は円形、丸です。円のように幅が一定の図形のことを定幅図形(定幅曲線)といいます。

一方で、もしタイヤの形が三角形なら乗り心地がとても悪そうです。
下の図1のように正三角形を転がすと、向きによって幅が変化してしまうことがわかります。

様々な角度で正三角形の幅を比べる
図1 正三角形の幅は一定ではない

面白い自転車

では、タイヤが円形ではない自転車があると思いますか。

下の動画には、面白い形の自転車が出てきます。

Triangle wheeled bike – Burning Man 2012

この珍しい自転車のタイヤの形はルーローの三角形というものです。おにぎりのような形をしていますね。図2のように、正三角形の頂点を中心にして円を三つ描くことによって作図できます。半径は正三角形の一辺の長さと同じです。

正三角形の頂点を中心に3つの円
図2 ルーローの三角形の作図

そして、ルーローの三角形の部分だけを抜き出したものが図3です。

おにぎりのような形
図3 ルーローの三角形

ルーローの三角形を転がしてみたらどうなるでしょうか。図4のように、どの向きでも幅が一定であることが分かります。ですから、車輪の取り付け方を工夫すればルーローの三角形のタイヤで自転車を作ることができるのです。

おにぎりころころ
図4 ルーローの三角形は幅が一定

生活に応用されている定幅図形

このルーローの三角形は、ロータリーエンジンというエンジンの部品に応用されています。

ロータリーエンジンはドイツ人のバンケルという人が1954年に考え出したエンジンです。
ローターが1回転する間に3回の爆発(燃焼)が起こる仕組みになっています。小型な割には力持ちで、なめらかに高速回転できるエンジンです。スポーツカーなどに搭載されていて、マツダ社の製品が有名です。(冒頭の写真はMazda RX-8)

パナソニック社のロボット掃除機にも、ルーローの三角形をした機種があるようですす。

ロータリーエンジンの模型(スズキ社)

コインも定幅図形

円やルーローの三角形のように、幅が一定の図形のことを定幅図形と言います。

正三角形だけではなく、正五角形や正七角形、正九角形などの正奇数角形をもとにして作図することもできます。図5と図6を見てください。正五角形の各頂点を中心にして円を5つ描けばルーローの五角形のできあがりです。

図5 ルーローの五角形の作図
図6 ルーローの五角形

下の50ペンスコインはルーローの七角形をしています。

50ペンス硬貨

変わった定幅図形

こんどは別の意味での応用編です。正三角形ではない三角形をもとにして、定幅図形を描くこともできます。下の手順と図7をご覧ください。

  1. △ABCの3辺をそれぞれ延長します。
  2. 辺ACが最も長いことに注目して、点Pを辺ACの延長線上にとります。(AP≧AC)
  3. 点Aを中心に、辺APを半径とする弧PQ(緑色)を描きます。
  4. 点Bを中心に、辺BQを半径とする弧QR(橙色)を描きます。
  5. 同様の手順を繰り返して点Pに戻る。

(幅はa + b + 2CP – cと一定になります。ただし、AB=c, BC=a, CA=b, b≧a≧cです。)

図7 変わった形の定幅図形

手を動かしながら考えよう

この記事を読んでみていかがでしたか。読んだだけではしっかり理解できていないかもしれません。紙と鉛筆と定規とコンパスを持ってきてください。そして、実際に作図してみましょう。

目でじぃーっと見るだけで問題を解こうとする生徒さんがおられます。図形の問題を解くときは特に、手を動かしながら考えることは大切ですよ!手を動かして色々とイメージしているうちに問題の解き方を思いつくことが少なくないからです。

ルーローの三角形のおにぎりを作ってみるのも面白そうですね。

正三角形ではない三角形をもとにして、定幅図形を描くことができました。では、正五角形ではない五角形をもとにして定幅図形を描くことはできるのでしょうか。ぜひ考えてみてください。

手を動かしながら考えよう。

まとめ

幅が常に等しい図形は円だけではありません。定幅図形の一つであるルーローの三角形は、生活にも生かされている面白い図形です。 手を動かしながら考えることによって、理解を深めることができます。

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