滑りやすい坂を登っているところを想像してください。頑張って登っても、すぐに滑り落ちてしまいそうになります。
同じように、何度か覚えようと頑張ったのにすぐに忘れてしまうことはありませんか。
スパイクシューズには靴底に突起がついています。それを地面に食い込ませて足がかりにしています。ですから、スパイクの付いた靴を履くと滑りにくいです。
覚えるときにも何か足がかりになるもの、つまりきっかけをつくってみることができます。
外来語や名称と関連付けて覚える
基本的なこととして、orange(オレンジ)や、smartphone(スマホ、スマートフォン)など、外来語として普段からカタカナで使っている英単語がテスト範囲に含まれていたらラッキーですよね。
また、英単語から名付けられたものを探すならそれと関連付けることもできます。
(真剣に)努力するという意味のendeavorという単語を覚えるときは、アメリカのスペースシャルという宇宙船にその名が付いた機体があったことと結び付けることができます。たしかに、スペースシャトルは多くの人の努力が実を結んだものでした。

組み合わせて覚える
「筋肉」の「筋」という字を覚えるときはそれをそのまま覚えようとするでしょうか。むしろ、竹(たけかんむり)、月、力といったすでに覚えている漢字を組み合わせたものになっていることを意識するのではないでしょうか。
理科で(大まかには)固まるという意味の「凝固」の「凝」という字があります。「疑う」の「疑」を覚えていればすぐに書けるようになります。「冷たい」の「冷」という漢字と同じ部首の二水(にすい)だということも思い起こせるでしょう。
「なる」という意味のbecomeは、be動詞のbeとcome(来る)との組み合わせになっていることを意識すれば記憶しやすくなります。
語呂と知っている単語とを関連付けて覚える
「確信させる」という意味のassureという単語を覚えるときは、「もちろん」という意味でも習ったsure(確信している)を思い浮かべることができます。そうするなら、覚える文字数が6文字だったのを、2文字(最初のas)だけに減らすことができます。
「明日(as)、Sure !と言って、やると確信させよう」のように、語呂とすでに知っている単語とを関連付けることもできます。
「表面」という意味のsurfaceという単語を覚えるときは、face(顔)という単語が含まれていることに気づくことができます。「さあ(sur)?フェイスでは表面しか分からない。」というように、語呂と知っている単語とを組み合わせることができます。
接頭辞、接尾辞を覚える
ある程度英語の勉強を続けてきたのなら、接頭辞、接尾辞を意識して覚えてみましょう。
- 接頭辞とは、単語の最初に付けて意味や品詞などを変化させるものです。
- 接尾辞とは、単語の最後に付けて意味や品詞などを変化させるものです。
例えばcommunication(連絡)という単語について考えてみましょう。
- co(m)-という接頭辞には「共に」という意味があります。
- -ionという接尾辞は名詞を作る接尾辞です。
そうするなら、初めて見る英単語の中に知っている文字列が隠れていることに気づけるかもしれません。覚える字数はそれだけ減らせますし、テストで知らない単語が出たときに意味を類推する助けにもなります。

関連した単語を併せて覚える
ついでに似たような単語を覚えることもできます。先ほどのcommunication(連絡)という単語を覚えるときには、以下のような関連した単語も記憶してみましょう。
- communicate(伝達する)
- community(地域社会)
など。(まだあります。)
まとめ
覚えなければならないことの量に圧倒されそうなときは、よく注視してみましょう。すでに覚えていることと関連付けるなら、覚える量も心も軽くなります。
関連付けるために語呂や知識を活用しましょう。
付録 おもな接頭辞と接尾辞
接頭辞
接頭辞 | 接頭辞の意味 | 単語 | 単語の意味 |
ab | 離れて | absent | 不在の |
ant(e), ant(i) | 前の | anticipate | 予期する |
ant(i) | 反 | antiaging | 抗加齢の(アンチエイジング) |
auto | 自身の | autograph | 自筆(サイン) |
co(n), co(m) | 共に | communication | 連絡(コミュニケーション) |
dis | 反対 | disagree | 意見が合わない |
en, em | にする | enable | を可能にする |
ex | 外へ | exit | 出口 |
for | 前に | former | 前の |
ob | に反対して | obstruct | 妨害する |
out | 外へ | outdoor | 戸外の(アウトドア) |
over | 超えて | overseas | 海外の |
per | 完全に | perfect | 完全な |
post | 後の | post-modern | 現代の |
pre | 前の | prepaid | 前払いの(プリペイド) |
re | 再び | recycle | 再利用する(リサイクル) |
sub | 下に | submarine | 潜水艦 |
sur | 超えて | surcharge | 追加料金(サーチャージ) |
trans | 別の場所へ | transport | 輸送する |
under | 下に | underline | 下線(アンダーライン) |
up | 上に | update | 最新化(アップデート) |
名詞を作る接尾辞
名詞を作る接尾辞 | 単語 | 単語の意味 |
age | baggage | 手荷物 |
al | renewal | 更新(リニューアル) |
ance, ence | performance | 仕事ぶり,遂行(パフォーマンス) |
ancy, ency | infancy | 幼少 |
hood | neighborhood | 近所 |
ics | service | 業務(サービス) |
ion | creation | 創造 |
ism | mechanism | 仕組み(メカニズム) |
ity, ety | security | 防護,安全(セキュリティ) |
ment | entertainment | 娯楽(エンターテインメント) |
ness | kindness | 親切心 |
ship | friendship | 友情 |
th | growth | 成長 |
tude | magnitude | 大きさ(マグニチュード) |
ure | pleasure | 喜び |
y | history | 歴史 |
形容詞を作る接尾辞
形容詞を作る接尾辞 | 単語 | 単語の意味 |
able, ible | fashionable | 流行の |
al | additional | 追加の |
ary | library | 図書館 |
ate | accurate | 正確な |
ent | convenient | 便利な |
ful | hopeful | 希望に満ちた |
ic | historic | 歴史上重要な |
ile | mobile | 動きやすい(モバイル) |
ine | divine | 神聖な |
ish | childish | 子どものような |
ive | active | 活動的な(アクティブ) |
less | careless | 不注意な(ケアレス) |
ous | dangerous | 危険な |
y | rainy | 雨の |
動詞を作る接尾辞
動詞を作る接尾辞 | 単語 | 単語の意味 |
(i)fy | satisfy | を満足させる |
ate | create | を創造する |
en | strengthen | を強くする |
ize,ise | organize | を計画する |