せっかく覚えたはずなのに忘れてしまって、テストで問題に答えられなかったことはありませんか。

その原因の一つは復習を十分にしていないことかもしれません。

中間テストや期末テストのテスト範囲でさえ広いと感じるのに、入学試験の出題範囲はさらに広いですよね。3年間かけて学んだことが問われますから。

ですから、復習をすることは必須といえます。

もし人間が忘れることができなかったら?

見聞きすることを全て記憶できて、いつでも鮮明に思い出せればいいのにと思われるかもしれませんね。でも、もしそうなら学校や日常生活で経験する嫌なことまで鮮明に思い出してしまい、何度も追体験することになるでしょう。

ここでは覚えたいことも忘れてしまいやすいという事実を受け入れて、その対策を考えてみたいと思います。

どのように忘れていくの?忘却曲線とは

エビングハウスというドイツの心理学者は、100年以上前に面白い実験をしました。
無意味綴という人工的な無意味の綴り字を用意して、記憶実験をしたのです。
その結果、人間の記憶についての知見を得ました。その一つが忘却曲線です。

たしかに、勉強で覚える内容は無意味な綴り字とは異なり、意味や規則性があります。
でも、私たちがどのように忘れていくかを考えるヒントにはなるでしょう。

忘却曲線

いつ復習するのがベスト?

横軸を見ると、なんだか目盛りが変ですね。これは対数目盛りというもので、ある数(ここでは分)のに注目して並べたものです。

英単語を10語頑張って覚えられたとします。
グラフを見ると、1時間後には約半分は忘れてしまうことが分かります。
1日後に覚えているのはおよそ3語で、
1カ月後に覚えているのはわずか2語です。
復習をしなければこんなにも早く忘れてしまうのですね。

忘れたくないと思っていても、そのまま放っておくと忘れてしまいます。

授業の直後に宿題を少しやろう

授業の時間を約1時間とすると、授業が終わるチャイムが鳴ったときには前半で学んだことはすでに忘れかけている(!)ということになります。

ですから、授業が終わったらすぐにノートを見返して復習しましょう。

自宅からオンラインで授業を受けていますか。授業が終わった後にすぐ宿題に取り掛かることができます。何問かをまんべんなく選んで解きましょう。
復習になりますし、宿題をこなすことにもなって一石二鳥です。

日付を計算して復習しよう

そして、1日後、3日後、1週間後、1カ月後に復習しましょう。

テキストに初めて学んだ日付をその都度書き込むことができます。そして、「今日」の1日前、3日前、1週間前、1カ月前の日付を計算し、その日付が記されたページをめくって復習するのです。

管理を簡単にするために、3日前用、1週間前用、1カ月前用の3種類のしおりを挟んでおくこともできます。復習した度にそのしおりを後のページに進めるのです。

まとめ

授業が終わったらすぐに復習をしましょう。
オンライン授業であれば、すぐに宿題をこなすこともできます。

1日後、3日後、1週間後、1カ月後に復習できるように工夫しましょう。

➡ 続編:【効果的な勉強法】段階的間隔想起法 強力な記憶法を紹介します。

※ 追記

Hermann Ebbinghaus (1885) Memory: A Contribution to Experimental Psychology
Translated by Henry A. Ruger & Clara E. Bussenius (1913)
CHAPTER VII RETENTTON AND OBLIVISCENCE AS A FUNCTION OF THE TIME
Section 29. Discussion of Resultsを参照。