記憶するには、脳に覚えてもらわなければなりません。
誰かに強くお願いをするとき、どのように頼みますか。繰り返しお願いするのではないでしょうか。

同じように、記憶するためには繰り返し復習をする必要があります。では、どのように復習をすればよいのでしょうか。
【効果的な勉強法】記憶できる復習のタイミングは?では、基本的な復習の間隔についてとりあげました。一方で、今回はより発展的なアプローチとなっています。

段階的間隔想起法とは

”graduated interval recall”(直訳すると、段階的間隔想起)という記憶法があります。
ポール・ピンズラー(Paul Pimsleur)というオハイオ州立大学の言語学者の論文
”A MEMORY SCHEDULE” (1967)に言及されています。
この英語論文を基にして、当コラムは書かれました。

ある単語を何度か繰り返して覚えたとします。でもいくらか時間が経過するなら、記憶があやふやになっていきますね。
たとえば約60%の確率で思い出せるくらいあやふやになったら、下記の方法で復習(想起)をして記憶を100%に戻します。
そしてさらに時間が経過して記憶が薄れた頃にまた想起をし、これを繰り返すという記憶法です。

想起とは、2つの動作で復習すること。

段階的間隔想起法での想起という復習には、2つの動作が含まれています。

1つ目は、思い出そうとすることです。ですから、学んだことをまた見返せばよいというものではありません。アウトプットすることが前提になっています。再びインプットすればよいということではないのです。

2つ目は、答え合わせをするということです。たとえ「これは思い出せる」と自信を持っていたとしても、間違うことがあるからです。

復習をした直後は100%の正確さで答えられるようにする必要があるのです。

想起する間隔のとり方

想起をするタイミングはどのように決めますか。初めて学んだ後はとても頻繁にし、だんだんとその頻度を減らしていきます。

例えば、最初に学んだ後にあやふやになるまでの時間が5秒後だとすると、
次に想起(2回目の復習)をするのは52=5×5=25秒後、
また次に想起をするのは53=5×5×5=125秒後
のように、次に想起するまでの間隔を指数関数的に長くとっていきます。

どれも同じ間隔で想起するのはNG!?

単語にはいろいろな長さのものがあります。短くて比較的覚えやすい単語もあれば、長くて覚えにくい単語もあります。
ですから、想起するためのスケジュールをどれも同じにすることは強く否定されていました。

これをどのように私たちの学習に当てはめられるでしょうか。
得意な科目や単元、興味があって覚えやすいものに関しては、想起する時間の間隔はある程度長くとってもよいでしょう。
一方、苦手な科目や覚えにくいものの復習はより頻繁にする必要があるといえます。

例えば、以下のスケジュールで復習できるかもしれません。

  • 得意な科目・・・1時間後、2日後、1週間後、1カ月後。
  • どちらでもない科目・・・1時間後、1日後、3日後、1週間後、1カ月後。
  • 苦手な科目・・・10分後、1時間後、1日後、2日後、4日後、1週間後、2週間後、1カ月後。

毎日新しいことを記憶するはずです。
忘れたことを想起することを含めると、毎日覚えなければならない量は新出事項より多くなることになります。

想起する間隔をスケジュールするのは大変?

こうなると管理が大変だと思われるかもしれません。
数秒後、数十秒後に復習をするならなおさらです。どうすればよいのでしょうか?
たとえば’Anki’のようなコンピューターのソフトやアプリのなかには最適なタイミングで復習できるよう工夫されているものがありますので活用してみましょう。

クラッセでは生徒に頻繁に質問、考えさせます。ですから、生徒が重要事項を忘れていたり理解していない分野があったりするなら、講師はすぐそれに気づき、対応できます。生徒個人に寄り添い、一人ひとりに合わせて教えます。

頻繁に質問をすることのメリットの一つは、生徒が忘れていることを気づかせられること。

まとめ

まだいくらか覚えているうちに、時間をおいて何度か復習をしましょう。初めて学んだ直後や、覚えにくいものはより頻繁に復習することができます。これが「段階的に間隔を置く」ということです。

復習をするときはアウトプットし、答え合わせをします。これが「想起する」ということですね。

アプリや先生の助けを得ることもできます。

このように段階的に間隔を置いて想起すれば、効果的に記憶することができるでしょう。

【効果的な勉強法】省エネで記憶するには

【効果的な勉強法】関連付けて覚えよう

もどうぞご覧ください。

 

参照論文:Paul Pimsleur (1967) A MEMORY SCHEDULE. Modern Language Journal, Vol. 51, No. 2 February 1967.